白と黒の境界線

日々徒然をネットの隅に残す記録簿 専門は社会教育と文化振興

偶然の出会いと「29歳問題」

横浜で映画「29歳問題」を見てきた。

香港発の作品でひたすら中国語が飛び交う字幕のみの上映だった。舞台が原作らしく、ところどころ演出が演劇っぽい。

物語は化粧品会社で働くキャリアウーマンのクリスティを中心に回る。クリスティはもうすぐ30歳。身だしなみも健康管理も毎日完璧、仕事は昇進して多忙、付き合っている彼氏とはすれ違い気味、老いた父親は認知症でおかしな行動を取ってくる、周りの友人たちは次々に結婚。女の30歳は本当に目まぐるしい。そんな中で自宅アパートの水漏れを発見。大屋に連絡するも、いろいろあってアパートを強制退去させられてしまう。クリスティは大屋の伝でティンロという女性の家に仮住まいすることに。ティンロはパリに旅行中で不在だが、家にあった日記を通して、彼女の人となりを知ることになる。ティンロはクリスティと同い年で誕生日まで一緒。レコード店でゆるく働いて身だしなみもテキトー、太った体型にメガネで地味な感じ。いつも明るく自由に生きている。まるで対照的な二人の29歳が、30歳の誕生日を前にそれぞれの人生を歩んでいく。そんなお話。

テーマが良いなぁ。自分はまさに今年で29歳だからタイムリーな話題。クリスティが仕事や美容を一生懸命やって、父親や恋人も友人も気にして、完璧を目指しているのに空回りしているところが見ていて辛かった。特に音が印象的な映画で、物語が大きく動いた後で「ピーーーー」と音がずっと鳴り響いてクリスティが倒れるシーンがある。ここは本当にやるせなくなった。

最初はけっこう面白いのに終わり方がちゃっちいのがビミョーなところか。あと、楽天家のティンロよりもクリスティのが良かった。一番良かったのはクリスティの会社の女社長。彼女はバリバリのキャリアウーマンで、言っていることが素晴らしい。

・30歳は土星のサイクル(公転周期が約30年)と一緒。その頃は女にとってチャレンジの時。もちろん次の30年もそう。

・社長として成功したことは結果論。人生はいろいろ。選択もいろいろ。選択したのならば100%の力でやる。たとえ失敗しても力を出したのならば後悔はしない。

社長はクリスティに信頼を置いていて、昇進させたり、サポートしたり。最後は自分のところを去ろうとする彼女の背中を押して、ひき止めはしなかった。なんだ、良い上司じゃないか。

内容はうーんという感じだったけど、クリスティと女社長は本当に良かった。その代わり男のクズ率が高い。どうにかならんのか、あの彼氏は。怒鳴っているシーンが多くて中国語もうるさく感じた。

これ、かなりマイナーな映画で、関東ですら上映館が3館しかない。おまけにミニシアターというのだろうか、小さな街の映画館でのみの公開だった。

実は映画をみる前に近くのカフェで見ず知らずのおじさんから声をかけられた。私が考古学の教科書を読んでいたから、自分も歴史に興味があるということだった。どうやら古書のコレクターらしく、博物館等にも寄贈しているらしい。金沢文庫にもコレクションを寄贈、今度は県立歴史博物館にも何十点も出展するということ。8月開催の明治150年の企画展らしい。学芸員とも親交があると。話聞いている限りではお偉いさんっぽい。なぜか古書のカタログを貰った。新手の港区おじさんの類いだったのだろうか。ビックリしたわ。しかし、「明治150年」の事業はいろんなところでやっていてすごいな。このロゴよく見る。

参考:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/meiji150/portal/
内閣官房「明治150年」関連施策推進室

私はこのブログで明治村のことを知ったのだけれど、あそこも明治150年を掲げていた。学芸員、司書、文教で食いたい。その気持ちはやはり変わらない。これも何かの縁。夏は県立博物館と明治村に推参したいと思う。