白と黒の境界線

日々徒然をネットの隅に残す記録簿 専門は社会教育と文化振興

正規と全く違う「非正規公務員」 置かれた場所で咲いてはいけない

図書館委託業務会社・運営と求人の現状と問題点★図書館流通センター(TRC)・紀伊國屋書店丸善・キャリアパワー・ヴィアックス・アスペクトコア・ナカバヤシ・ウーマンスタッフ他
http://bookserial.seesaa.net/article/461029031.html

私が尊敬してならない図書館ブログで委託業界の闇を暴く記事が更新された。図書館界が(正規以外の公務員が)既に崩壊していることは何度も書いてきたことだし、他の元同業者たちも散々注意喚起している。にも関わらず、民間委託の流れ(官から民へ)は拡大傾向にある。業界に夢を持って入った若者たちが食い潰されて、志半ばで捨てられることは日常茶飯事である。それどころか、頑張って管理職までやってしまったばかりに、待遇も労働環境も悲惨なのに「やりがい」に麻痺して、気が付いたらもう他業界に転職できなくなる。あるいは、ワーキングプアから抜け出せなくなるという事例も報告されている。

月収13万円、37歳女性を苦しめる「官製貧困」
公営図書館の嘱託職員は5年で"雇い止め"に
https://toyokeizai.net/articles/-/134801
※自己責任でぶっ叩かれ炎上した記事

このような状況で、人によっては委託制度自体を反対する者たちも少ない。しかし、私は民間に公共事業を任せること自体はむしろ賛成ではある。成果という点では直営と指定管理では、私の目では指定管理のが全てにおいて上だった。以下は私が働いていた事業者の成果の一部である。右が直営時代の数字、左が民間に任せてからの数字だ。

直営時代(正規) →→→指定管理時代(非正規)
人件費 8人→→→4人 半分削減!
閉館時間 17時→→→21時 開館時間延長!
事業数 月5→→→月30 大幅アップ!
その他、来館者数、貸出数、利用者満足度、もろもろアップ!

問題はこれだけ成果を出しても賃金・待遇は上がらない。むしろ下がるということである。民間委託は、サービスの向上と共に「人件費の削減」という目的がある。前述の「図書館になる!」さんのブログでも指摘されているが、「この業界の構造的な問題は知的競争ではなく、価格競争をしている」点だ。そもそも公共入札自体が、より安い事業者に委託するという価格競争の世界である。(入札形態として「プロポーザル」のような質の競争もあるにはあるが……)
成果は出してください。けれど、人件費は出せません。というのが当たり前のように起こっているのだ。税金で運営するのだから、安ければ安いほど良い。公共事業のバーゲンセール。これはもはや民意なのかもしれない。

とにかく我々ができることは、こういった事業者には近寄らないこと! ヤバイと思ったら即刻辞めること。

私は、退職する前に尊敬する上司から「もっと頑張れ、本社に来れるようになれ、置かれた場所で咲きなさい」と言われた。私はもやもやしながらも、この感情が何なのかわからなかった。今ならわかる。「置かれた場所で咲いてはいけない」 努力が報われる場所なら咲いて良い、泥沼から抜け出せない場所で頑張ってその先に何があるの?
私や館長や同僚たち、そして地域の方々が死ぬほど努力して作り上げてきた図書館がそこにあるから、私はただただ悔しいよ。悔しい。やりきれない。無念。でも、仕方ない。私にはもう無理だった……。

ちなみに「図書館になる!」さんのブログには訂正箇所がある。異業種の指定管理業者、金属プレス加工の「トミテック」は業界から撤退している。この業者で何があったかは業界では有名なはずなので、リンクを貼っておく。


代替時給180円 図書館で行われた低賃金労働
https://dot.asahi.com/aera/2013021900010.html

https://blog.goo.ne.jp/m-hariya/e/36b561f054cd1fdea30c797e590f37e1


AERA 2013年2月25日号に掲載された悲惨な事件である。そして、これは氷山の一角に過ぎない。