白と黒の境界線

日々徒然をネットの隅に残す記録簿 専門は社会教育と文化振興

古代への情熱と知の冒険

youtu.be

YouTubeネバーエンディングストーリーの映画版主題歌を聞いていた。ワクワクした。昔この映画も原作の「はてしない物語」も大好きだった。今だったら原作崩壊と叩かれてそうだが、私は映画版が好き。この話も本の世界と現実世界の交差というか、割りとベタな展開ではある。それでも冒険活劇への憧れは未だに消えず、「エルマーのぼうけんシリーズ」や「トム・ソーヤ」はまだ本棚にある。


昔から自分は変わった子どもだった。周りがポケモンの名前やドラクエの呪文を覚えている中で、私は「長靴下のピッピ」のピッピの本名を覚えていた。「ピッピロッタ食べる品々カーテン開けた~(忘れた)~エフライムの娘長靴下」だったはず。


小学生の時に上野の国立科学博物館で初めて触れた「マヤ文明展」にワクワクした。南米アメリカに突如として出現した巨大国家。優れた天文学の知識、オーパーツ、インドより先に発見していたのではないかと言われている「ゼロの概念」(数学の発達)、独特な宗教文化。塾でも学校でも教えてくれない冒険の世界がそこにはあった。


後に私は史学科で古代史や文化人類学をにわかに専攻する。(幽霊学生)


古代史専攻ならシュリーマンは必ず通るはずだ。
幼少の頃に夢見た神話を信じて「トロイの木馬」を探し続けた考古学者「ハインリヒ・シュリーマン」 彼の自伝「古代への情熱」には、勉学によって貧困を脱し、語学力と商才を武器に資金をかき集め、トロイア遺跡の発掘に乗り出す姿が書き残されている。彼は49歳で発掘調査を開始し、51歳の時にトロイアの実在を証明する。
しかし、シュリーマンは発掘調査で興味のない出土品は破壊していた、金のための発掘調査だったと聞いたことがあるので、この本の内容はどこまで本当なのかもわからない。彼の行動力はADHDのように思えた。

そして、偉大なる人類学者であり、哲学者でもある「クロード・レヴィ=ストロース
彼の考え方は私に多大なる影響を与えた。先住民族と触れあいながら彼らの暮らしを記録するフィールドワーク、多様な文化の発見、「未開」社会の研究、西洋中心主義からの脱退。


「どのような状況(文化)であっても人間の本質は変わらない。根本的な部分は同じ。そこに優劣はない。」
それが私の哲学と史学の最終到達地点であった。


知への冒険。いつか行きたい南米アメリカ。マヤ・アステカ・インカ。そして、空中都市マチュピチュ。それが叶うことは今の状況では、ほぼない。


幽霊学生の私にゼミの教授は「情熱だけではどうにもならない。」と呆れていた。今年、学芸員資格を取得した大学の教授は「考古学で食いたいという馬鹿者が毎年いる。」と笑っていた。公務員予備校の歴史担当の先生は「同級生に遺跡を転々としてえっちらおっちら発掘調査してるやつがいるんですわ。月給15万円くらいだったかな。当然、結婚なんかできませんよ」と、ネタにしていた。

ちなみにこの歴史担当の先生は私が在籍している年で転職してしまい(大手大学受験予備校へ)、受験生界隈では密かな話題となった。この先生は「宝くじを当てて仕事を辞めることしか考えてない」と、授業でよく言っていたので、転職が判明するまでは「まさか、当たったのではないか」と、噂が立っていた。今ごろ大学受験のフィールドであの独特な授業が繰り広げられているのかと思うと、胸が熱くなるな……。